1クリックで・・・・・・
「あなたに代わって ○○が◆◆に募金をします」とか
「広告料がゲットできます」とか
更には、
「おいおい、やべーよ! 超アヤシイサイトにアクセスしちゃったみたいで
課金請求のメールが届いちゃったよ~、コレってもしかして
1クリック詐欺ってヤツか?!」なんて
青ざめる話まで勃発するご時世。
以下は、「1クリック」で
世界を動かす男のウソみたいなホントの話。
※マニアックな専門用語も出てきますので興味のない方は
すっとばして下さい。
ある日の晩のこと。
遅い晩ご飯のあと、いつものように自分のモバイル・ノートで
FX取引のサイトにアクセスしていたY氏。
「んーーーー、今夜はなかなか動かないなぁ・・・。」
Y氏は、モニターに映し出されたドル/円の為替相場チャートを
じっと睨んでいた。
彼の左手にすっぽりと収まっているグラスの中に浮かぶ氷が
“そうね・・・”と頷くように
カラン、と小さな音を響かせた。
しばらく、あれこれ思案顔をしていたが
彼の足元で寝そべっていた愛犬がごろん、と体の向きを変えた直後、
何かを見つけたように、
いや、暗示をうけたようにY氏は右手カチッとマウスを押した。
その直後、
「うぉおおおーーー!!」
まるで獣の咆吼のごとき、声が響きわたった。
↑ 実際には「響きわたる」という表現は適切ではない間取りだけど。
ま、間取りについてはどうでもいいか。
「おいおい、ちょっとコレ見てみろよ」
Y氏の呼び声に、
手にしていたDSiから視線を外し
めんどくさそうな顔をした 妻が
彼の傍へと近寄った。
“今、ちょうどキヨマーに告白しようとしてたトコなのに~”
妻は、夫の奇声の理由より、
「トモダチコレクション」(←任天堂のゲーム)の自らのキャラクターが
キヨハラ選手に求愛する場面のほうが大切だった。
“・・・ホントはイチローに告白したかったンだけど・・・・・”
↑ ゲームの中のコトだから、言いたいホーダイ。
「マジですげーよ、こんなのアリかよ?!」
“ホント、ホント びっくり、よね”
Y氏の言葉を囃し立てるように
緑色のグラスの中で、丸みをおびて艶めく氷が
カラン・カランと踊っていた。
モニターをのぞきこんだ妻も・・・・・
うわっ、すごっ!!ナニ、コレ???
ドル/円の為替相場は、Y氏が「買い」をクリックしたのとほぼ同時に
30銭以上、値を下げ
チャートはまるで華厳の滝かナイアガラの滝か?というぐらい
真っ逆さまに急落。(爆
200倍のレバレッジをかけていたY氏は
1クリックで300マンが瞬時に消えたことになる。
ひょえ~・・・・・
注・レバレッジとは・・・・
手持ち資金の何倍もの投資を可能にするしくみ。
テコの原理のように少しの力で
大きな効果を得る、というもの。
たとえば、「今、手元に100円しかないけど、
1万円の買い物がしたいよー」なんて無茶をいう人たちの野望を
刺激する。
ただし、当然のことながら、少しの損失で
その何倍かのダメージを受けることも必須。
一攫千金を夢見がちだけど素人にはリスクが高い。
「いや~、ビックリしたわ~」
Y氏がことのほか、落ち着いているのは
この為替取引が
トレーニング用のソフト上の
モノだから、である。
※但し、相場は現実の市場と連動している。
なので、ホントにこの時、30銭以上の急下落が起きていた。
「まさか、俺がポジション持った途端に、急に為替が動くとは!!
いやはや、ゴールドマンサックスもビックリしただろーなぁ。」
・・・・・実は、こーゆー現象(クリックした途端、値が下がる)は
コレが初めてではナイ。
妻は、Y氏の驚愕の声とともに過去に2度、目撃している。
「・・・・ってか、アナタの真逆でポジションをとってたら
きっと今頃、一攫千金で大儲けなんじゃないの?!」
「ふむー・・・・。なるほど。」
(でも、妻はFXにはキョーミがないので行動には移さない。)
「リーマンブラザーズもアナタのパソコンをモニタリングしてたら
破綻せずにすんだかもね。」
(↑ そんなワケない。)
いずれにしても、コレが体験用ソフト上の取引で良かった、良かった。
もしかしたら世間には
「1クリックで世界を動かす」夫のせいで
巻き添えをくってツライ思いをしている投資家の皆さんがいるかもしれないけどさ。
・・・・と、まぁ、こんなことをしてる間に
「トモ・コレ」の中のアタシは
キヨマーに振られて、
ブルーモードになっておりました。。。。